コンプレックスが誇りに思える時もある。ただの深爪の話です。
すっと伸びる長い指、ネイルアートが似合う形のよい爪、とは真逆の私の指。もちろん長年コンプレックス。
ピアノを弾くようになってからは爪を毎週整えているので、どんどんますます短くなってきた。指先がずんぐり丸くなってきた。元から小さかった小指の爪なんてまじ赤ちゃんサイズ。
でも短くて何色にも塗っていないこの爪が今の自分にはしっくりきていてなかなか良い。ピアノの鍵盤やパソコンのキーボードを打つときもカチカチいわないし、髪を洗うときに地肌をがっしり鷲掴みで洗えるのも気持ちいい。ジェルをしたり色を塗っていないから色が剥げることもない、浮くこともない、清潔感がある。この素爪を気に入る時がくるなんてね。しわしわで血管や関節が気持ち悪いのは気になるからハンドクリームを塗るくらいはしておこう。
コンプレックスなんて所詮こんな程度なのかな。自分の脚の短さなんていつのまにか気にならなくなっててヒール靴を全く履いてない。
だってどうにもならない。
それに、人は人のことをそれほど見ていないのよ。私がいつのまにかネイルをしなくなったことも爪が短いことも脚が短いことも、たぶんバレてない。バレてないんだから気にしてるのは自分だけってことで、気にするだけ損でした。ここまで来るまでだいぶ時間かかったけど。
ところで、「爪」っていう漢字。指先でなにか掴んでいるみたいだな、でもちょっと鋭すぎてとがってて怖い、ひえー、などと思いながらじっと見てたらゲシュタルト崩壊しました。